2025年10月06日

石けん使用後に“キュキュッと感” を感じるメカニズム解明に向けて
「きしみ感」の強さと摩擦波形の関係を探る

牛乳石鹸共進社株式会社(所在地:大阪市城東区/代表取締役社長:宮崎悌二、以下牛乳石鹸)は、固形石けん使用後に感じられる“キュキュッとした感覚(通称:きしみ感)” のメカニズム解明に取り組んでいます。その一環として、摩擦特性と人が知覚する「きしみ感」の強さとの関係性を明らかにすることを目的とした研究を実施しました。その成果 2025 年 9 月 17 日~19 日に開催された第 27 回日本感性工学会大会にてポスター発表しました。

研究背景

石けんは、さっぱりとした洗い上がりが特徴の洗浄剤です。これは、石けんの主成分である脂肪酸のナトリウム塩やカリウム塩が、水道水に含まれるカルシウムなどの成分と反応して「金属石鹸」と呼ばれる物質を作り出し、それが肌に残ることで“キュキュッ”とした感触、いわゆる「きしみ感」を感じさせるためです。しかし、「きしみ感」と摩擦特性との関係を定量的に検討した研究は多くありません。また、きしみを感じる場合に「スティックスリップ現象」と呼ばれる波形状の摩擦力の変動(摩擦振動)が観察されるとされていますが、この現象が官能的な「きしみ感」の強さとどのように関連するかについては、これまで十分な定量的な評価が行われていません。本研究では、摩擦特性と人が知覚する「きしみ感」との関係性を統計的な分析手法を用いて理解することを試みました。

研究結果

被験者間の個人差を考慮した統計的な分析手法を用い、摩擦力と摩擦振動が官能評価に及ぼす影響を解析しました。その結果、両変数ともに有意な正の効果を示し、数値が高いほど「きしみ感」が強く評価される傾向が確認されました。さらに人によって摩擦力や振動の影響の受け方に違いがあること(感じ方のばらつき)を仮定して解析したところ、摩擦力と摩擦振動の効果に負の相関があるものが、他の結果と比較してもっともらしい結果となりました。これにより、摩擦力の大きさによって「きしみ感」を評価する「摩擦力優位型」と、振動の強さで評価する「振動優位型」の 2 タイプが存在する可能性が示されました。

まとめ

「きしみ感」という主観的な触感と摩擦波形から抽出した物理量を統計的な分析手法によって整理しました。本研究で得られた知見は,触感評価の客観的指標を構築する上で重要な一歩であり,後の触感研究や製品評価において実用性が高いと考えられます。

第 27 回日本感性工学会大会にて発表: 発表タイトル【石けんで洗った後の濡れた肌に感じる“きしみ感”の官能評価と摩擦特性解析発表者】
発表者:牛乳石鹸共進社株式会社 樋口 雄哉

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