2025年10月27日

菌叢解析と機械学習による原因菌の探索
「足のにおい」の要因解明に向けて

牛乳石鹸共進社株式会社(代表取締役社長 宮崎悌二)は、足のにおいの要因となる微生物の探索を目的に、 菌叢解析・機械学習・生成AIを用いた研究を実施しました。その成果を、2025年9月24日~26日に開催された日本防菌防黴学会 第52回年次大会にて発表しました。

研究背景

体臭は、皮膚に存在する常在菌が産生する代謝物により生じると考えられています。一方で、その評価は専門家が直接においをかいで判断する「官能評価」に依存しており、客観的で再現性のある方法はまだ確立されていません。体臭研究はデリケートな性質を持つため、協力者が少なく、菌叢解析も小規模データに限られるという課題があります。
そこで本研究では、まず足のにおいを対象に、官能評価と菌叢解析結果を組み合わせ、機械学習によりにおいに関連する微生物を探索することを試みました。また、体臭を直接かがれることに抵抗がある人もいることから、アンケート回答をもとに生成AIでにおいスコアを作成し、官能評価の代替手段として活用できるかどうかも検討しました。

研究結果

まず、専門家が足のにおいを評価したデータと菌叢解析の結果を組み合わせて分析したところ、機械学習の一つである「エラスティックネット回帰モデル」で高い分類精度が得られました。次に、モデルの予測にどの菌が寄与しているかを調べるため、ゲーム理論に基づく特徴量解析手法として知られる「SHAP」 を用いました。その結果、Staphylococcus(ブドウ球菌)やLactobacillus(乳酸菌)などがにおいの有無に影響している可能性が示唆されました。 一方、官能評価を実施できなかった被験者については、アンケートの自由記述を生成AIでスコア化し、それを用いてにおいの有無を分類しました。しかし、いずれのモデルでも予測精度は低く、現段階では官能評価の代替手段としての有効性は確認できませんでした。ただし、設問の工夫や回答形式の最適化などによって、生成AIを活用したスコア化の精度を改善できる可能性も考えられ、今後の検討課題といえます。

まとめ

官能評価と菌叢解析を組み合わせ、体臭に関連する微生物を探索する手法を検討しました。その結果、においの有無に関連する菌属が示唆されました。本研究で得られた知見は、今後の体臭研究や製品開発の検討に活用していきたいと考えています。

 

〈日本防菌防黴学会 第52回年次大会にて発表〉
発表タイトル:
【足のにおいに関する皮膚常在菌の探索:小規模な菌叢データ解析による原因菌の特定と生成AIを用いたにおい予測】
発表者:
牛乳石鹸共進社株式会社 白石 俊太
【本件に関する問い合わせ】
牛乳石鹸公式WEBサイトのヘッダーにある「法人様ご提案受付」からお問い合わせください。

NEWS RELEASE

ニュースリリース

  • すべて
  • 企業情報
  • 研究・開発
  • サステナビリティ
  • 製品情報