2025年09月08日

石けん使用後の“キュキュッと感”のメカニズム解明に向けて

牛乳石鹸共進社株式会社(代表取締役社長 宮崎悌二、以下牛乳石鹸)は、固形石けん使用後の皮膚に生じる“キュキュッとした感覚(通称:きしみ感)” の発生メカニズム解明に取組んでいます。きしみ感の発生には金属石鹸の皮膚への残留or吸着が原因と考えられています。そのメカニズム解明の一環として、肌上の金属石鹸の残留状態の可視化に向けた研究を実施しました。その成果を、2025年9月3日~5日に開催された第63回日本油化学会にてポスター発表いたしました。


研究背景

石鹸は、さっぱりとした洗い上がりが特徴の洗浄剤です。これは、石鹸の主成分である脂肪酸のナトリウム塩やカリウム塩が、水道水に含まれるカルシウムなどの成分と反応して「金属石鹸」と呼ばれる物質を作り出し、それが肌に残ることで“キュキュッ”とした感触、いわゆる「きしみ感」を感じさせるためです。

しかし、肌に残留した金属石鹸がきしみ感を与えるメカニズムについては十分に解明されていないのが現状です。また、肌上に残留する金属石鹸の様子を観察した研究もこれまで報告されておりません。本研究では、石鹸で洗った後の肌に残留する金属石鹸の分布をイメージング質量分析による可視化と金属石鹸の相対量を評価することを試みました。実使用に近い条件を再現するため、人の皮膚組織を使い、石鹸の種類や水の硬度を変えて比較するなど、様々な条件で調査をおこないました。


研究結果

実使用に近い条件として石鹸と水道水の組み合わせで洗浄をおこなったところ、皮膚表面に目視で確認できる残留物や外観の変化は見られませんでした。次に、イメージング質量分析(TOF-SIMS)を用いて、皮膚上に残留する金属石鹸を可視化・定量評価しました。その結果をFig. 1~4に示します。本実験では、洗浄に用いる石鹸の種類(ブランクを含む4条件)と水の硬度(3種類)の組み合わせにより、計12条件で比較をおこないました。Fig.1に示すように、いずれの条件でもカルシウムイオンは比較的均一に分布していることがわかりました。ただし、装置の深さ方向の検出限界により、皮溝部は検出されず黒く表示されています。また、Fig2に示すように、硬度の高い水で洗い流すと、皮膚上のカルシウムイオン(Ca⁺)の量が増加する傾向が確認され、石鹸の脂肪酸鎖長が長いほど残留量が多い傾向にあることが示されました。一方で、Fig. 3とFig. 4に示すように、脂肪酸アニオンについてはCa⁺と同様の傾向は認められませんでした。これは、純水ですすぐと石鹸が洗い流れずにそのまま残留したか、あるいは脂肪酸カルシウム塩がカルボン酸のカルボキシ基がプロトンを失った後のアニオン(カルボキシレート)として検出されにくいことが原因と考えられます。

まとめ

本研究により、肌上に残留する金属石鹸の分布や量が、すすぎ水の硬度や石鹸の脂肪酸鎖長により影響を受けることが示唆されました。特にカルシウムイオンの残留傾向から、きしみ感の要因に関する新たな知見が得られました。今後は、きしみ感と使用感の関係性をより詳細に解析し、製品開発への応用を目指します。

第63回日本油化学会年会にて発表:発表タイトル:イメージング質量分析による石鹸使用後の皮膚に残留する金属石鹸の分布観察と半定量

発表者:牛乳石鹸共進社株式会社 樋口 雄哉


本件に関する報道関係者様からのお問い合わせ先

牛乳石鹸共進社株式会社 TEL:06-6939-1454

もしくは、牛乳石鹸公式WEBサイトのヘッダーにある【法人様ご提案受付】からお問い合わせください。

弊社へのご提案受付フォーム(法人・事業主様対象) 入力|牛乳石鹸共進社株式会社

NEWS RELEASE

ニュースリリース

  • すべて
  • 企業情報
  • 研究・開発
  • サステナビリティ
  • 製品情報