鉄工所で働いていた父の手は、毎日真っ黒に汚れて鉄の匂いが染み付いていました。 でも、帰ってくると鉄の匂いに混じってふんわり石鹸の匂い。 その大きい父の手が大好きでした。 小さいとき父と一緒に入ったお風呂、 頭からつま先まで石鹸で泡だらけで洗ってもらった記憶、お風呂上りの父と一緒の石鹸の匂い。 その時間が大好きでした。 その父は今はいないけれど、石鹸の匂いがするたびに父を思い出します。