戦後間もないころ、何もかも不足していました、勿論石鹸も高価で、というよ り貴重品でした。そのころは勿論風呂は銭湯でした。よく下駄がなくなりまし た。子供のころですが、買って貰ったばかりの下駄を履いていったら、それが 盗まれて、近所の上級生におんぶしてもらって帰ったことがありました。石鹸 もなくなりました。あるとき、石鹸がなくならないようにするには、と小さな 頭で考えました。そして石鹸いれに入れてタオルで密封(?)して、湯船にも って入れば誰にも取られないという、すばらしいアイデアが浮かびました。し かし風呂はすごく混んでいて、密封したはずの石鹸いれにお湯が入ったらし く、湯船から出て、石鹸いれを見たら、何も入っていませんでした、お前は 馬鹿だとみんなに言われた、幼き日の思い出。何もなかったあの頃は、でもシャボン玉の七色の虹のように光っています。